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スペア・キー
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作詞 蘇季 |
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透明だった頃は
誰の目にも映らず
きっとそのままだったなら
君にも映らなかった
影をふまないで
歩くのは難しいと
部屋に空虚に響いて
僕の足は止まる。
「にげだしたいな。」
ぼくは人形のように
操られるがまま
凍てつく視界で
ままごとをしていた。
何度繰り返す光景
ボロボロになっていく
この心臓は
誰にも「いえない」まま
見え透いた嘘で語った
君には聞こえない声で
あの人は言った
科白が乱反射する
「逃げられるモノなら、とうに逃げてたのに」
無力故
「それは代替品ですか。」
ふと言葉があふれる
雨は降り止まない
僕の前の道は途絶えた。
呼吸をする度
肺が黒く濁って
気付けば縫い目だらけ
時折赤くにじむそうです
「ぼくはなにもかんじない」
今すぐに舞台を飛び降りれば
誰の目にも映らないまま
実像のぼくがわらう
「これで偽物は終えられるか」
継ぎ接ぎの心は
もう修復は不可能みたいだ。
なにもいらないなんて
本当は「・・・・・・・。」
音にならない声で
ふと呟いたのは
あまりにも当たり前みたいな
難しい問いの答えだ。
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