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紛い物
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作詞 蘇季 |
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眠れなくて
でも目を閉じて
時計の音だけを聞いていた
通り雨の音も混ざりだした
午後に沈む
夢を見ていた
雨の中走り抜ける子どもの
笑う声さえあの音楽(うた)に乗る
ラジオから流れた曲は
今もまだ僕を引き留めてる
もう、いいでしょ?
ここまで歩いた事を認めて
いっそのこと、ここから突き落としてくれよ
悲鳴なんて上げられる気力なんて
とっくの昔に捨ててきたんだ
降り出した雨は 僕の心まで貫いて
棘だらけにしてそのまま去って行く
硝子の破片で引き裂かれた痕のような
痛みならもう慣れっこさ
どうぞ、ご勝手に
この「道化師(すがた)」を嗤ってくれ
目を覚ます頃に
誰もそばにいなくて
ヘッドホンを抱えて今日も町に出よう
吐息混じりに拾った紛い物
ホントの偽物は一体どっちだったっけ?
もうすぐでしょ?
処刑台の上で踊れ
一切合切 君の手で終わりを告げて
秘めていた言葉さえ 洗いざらい話して
「遠い昔のことだ」と嗤って見せよう
散々と降る夢のかけらは白くて
止めどなくあふれる色彩を掻き消した
硝子の靴を履いて逃げていった君はもう
いたずらに微笑んでは
遠くへ消えてく
僕に孤独を残して
今日もまた眠れなくて
でも目を閉じて
時計の音だけを聞いていた
通り雨の音も混ざりだした
午後に沈む
夢を見ていた
それすら
夢かうつつか
定まらなくなっていた
記憶に鍵をかけて
「本物(ほんと)の僕はどれでしょう?」
何度問いかけても 分からなくなるまで
鎖を巻いておきましょう
南京錠を壊しても外れないぐらいに
「もうぼくはいないよ」
雨の中を走り抜けた
後ろの少年は・・・?
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