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泣き虫の理由、そして言い訳。
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作詞 蘇季 |
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色褪せた視界は
僕の心を灰色に染め上げて
灰の町 灰化した僕
「ああもう限界だ」
―耳鳴りが治まらない。―
この声が届くころには
僕はもうこの場所にはいない
それでもさ
これまでは
ここで生きてた。
今日の日まで。
色付いてたのはもう昔のことで
僕の言葉は君を傷つけることしか出来ない
「さようなら」
その裏の真実には
まだ君は気づかないで
心が痛いと泣き叫んでるよりは
「もうどうでもいいや」って答えが先走る
口先で歌う声(うた)は
耳にも痛くて
目の前の言葉は音でしかなくて
僕の語感はどこかで狂っていった。
目の先で音を拾って
耳の奥で言葉、味わって
舌先で嘘に触れちゃって
指先で香りを確かめて
鼻で存在に飲み込まれる
そしていつか
僕はそのすべてをなくしてしまうだろう
「ああどうか君だけは気づかないでいて」
このまま眠りつづけられたら
全てを忘れてしまえると信じてしまった
忘却した世界は僕の心には
居場所もないと悟らせる
零以下のスタートだ。
歪な街
君の詞(こえ)
ウソツキな僕にはお似合いな
代償は抱えてきた僕の全てとしたものを手放すこと
心の奥底で蜷局を巻く
毒蛇はすべての感情を麻痺させてる
時折始末に負えなくなる禁断症状
「斃れてしまうまでもう・・・何秒?」
最初から好きだったことがないから
「きらいじゃないよ」曖昧に笑っていた
肩まできた言葉は
喉まで届かなくて
直ぐに沈んでく
そして裏腹な台詞でごまかして
本音を置き去りにしてきた
きっとこれからも同じことだろう
無意味だと笑う君の言葉が
無邪気に僕のテリトリーに入り込んで
胸やけを悪化させるようなコンクリート
雨に触れて気づかされる土の香り
凍てついた3月の
壊れきった9月の
灰になった6月を
火をつけた4月の暦を
遠くから眺めて
冷めた目で笑っていたんだ
「あれがほんとの僕?」
もう壊れてしまえ
欺くのは得意だろう?
自分にウソついてたことすら
忘れてしまうような嘘吐きで
泣きたいのに笑ってしまうのは
人の裏側の言葉の気配を知っているから
耳を塞いだ
君たちにはわからないだろう
言葉と感情の気配
押し殺せてない事
気付かれてるぞ
警戒音で耳を劈いて
崩壊する頃にはもう
僕はいないさ
君がいなきゃ
僕じゃないのさ
・・・・・僕って何だっけ?
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