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疑心迷路
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作詞 蘇季 |
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歪んだ笑顔の貼りついた
鏡の向こうの境界線
「本当の君は何処に居るの?」
ふざけた問いかけはもう不要です
悲しみの向こうの曇り空
雷鳴だけが轟いて
耳を塞いで眠っていた
記憶の中は区区で
途切れ途切れのイメージの中駆け巡って
「どうしてここに居るの?」
わからなくって
昔描いた絵の中に
紅く染まった色彩画
それ以外はすべてモノクロ
不確かな世界が留まる
目の前を横切った黒猫
夢中でおいかけて
転んでもまだ其処に居るから
起き上がってまた追いかけた
足元にすり寄ってきた
白猫はいつも気紛れに
僕の目を見つめては
一言言って眠っていた
雨の中駆け抜けた
頭の中はぐちゃぐちゃで
言葉にもできなくて
声さえもできなくて
心とは裏腹に
嘘言ばかりを並べる
それがいつも耳障りで
塞いで眠っていた
時間が残した暗号は
未だに解読できぬまま
箱の中に詰め込んで
溜息を一つ溢して
目を閉じて呟いた
言葉はいつまでも続いて
指先の棘がまだ
刺さったまま取れなくて
掌には水溜り
月影が反射して
水の流れに戻せば
何事もなかったように過ぎていく
今にも泣き出しそうな
雨雲が頭上を進んでく
好きだった歌でも口ずさんで
今日は一人で歩いて行こう
目瞑るたびに手の中へ雫が流れるから
出来るだけ 目を閉ざさずに
傘と一緒に踊ろう
跳ね回るあの日の影
寄り道しながら帰ってく
すれ違う人混みの中
震えてる君を
僕はいつか 突き放すのだろう
そしてきっと忘れてしまうから
何度でも名前を呼んで迎えに行くよ
雨空の下を。
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