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然音
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作詞 蘇季 |
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あれから幾年 時は流れ
ここに留まり続けただろうか。
「巡り廻れロンド 踊り狂え刹那に。
生死の狭間に消え失せたいのならこの手を取れ 人よ。
また 新たなる世界への扉が開かれようぞ。」
どこか懐かしい声
誰の声・・?
ゆっくり目を見開いた
氷が 割れていく。
残酷なまでの思考回路は
たった一つの物語を紡ごうとする
それは時間の流れに逆らうことは許さず
時を動かす糧となる。
繰り返し墜落する その夢に
手向ける花は
風に壊れる
餞に贈られた言葉は
深く深く 僕の胸を突き刺したまま
動く事を許してはくれない
幾重にも絡みつく鎖に
刃を落としても切れることは無い
血だけが床に散らばる
なら いっそ
コワレテシマエバイイと
口にして
刻み始める
目の前には白の花
穢れる事を知らない
純粋な色彩
それだけは 紅く染まらない様に
見守っていた。
話しかけても返事は無いけど
僕みたいにはならない様に
守る事に決めたんだ。
何れは腐敗していくと知りながらも
別れを告げるまで
笑いかけていた。
ある日
その花を摘んで
人は 「雑草」だと言って
花を奈落に墜とした
怒り狂う僕の横に
キミは笑っていた。
名前は知らないけれど
その声は知っていた。
鎖を解くと
キミは風に溶けてしまったけど
唄声だけが
耳の奥へと伝うから
懐かしくて かなしくなった
寂しさを紛らわせるために
唄う 調べ
最期まで歌うことなく力尽きてしまった。
その者の名前は
地に刻まれたまま
世界を凍てつかせた。
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