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神様 おねがい
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作詞 織田碧 |
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いつのまにか 日が暮れていた
もう何時間くらいこうしていたのかな
腕のその赤い河はいびつな線を描きながら
切ったときよりも 少し黒くなって固まって
カミソリはいつも決まっている
あのピンクの取っ手の五本入りの箱
プラスチックのカバーを外して 使うの
この南に向いた窓を開けて 秋の風を吸いながら
これで わたしはきれいになれるのかな
悪いわたしは ダメなわたしは 消える?
パパもママも「いい子」って褒めてもらえる子になれるよね
寝静まった この部屋は大好き
さあ 始めましょうか あの棚から出して
消毒液にガーゼにテープに包帯を揃えてね
腕にはゴムを巻いて血管を浮き上がらせて
カミソリはいつも通りに使うの
等間隔にサクサクと切れ目を入れて
でもそのくらいの浅い傷はいつしか満足出来ずに
先を皮膚に刺してそれから手前に引いて 秋風が吹いた
これで 今夜も睡眠薬を飲み込んで
夢の中でだけ 綺麗な腕で 笑う
朝なんて永遠に来なければいいのにっていつも思って泣いた
残ったのは白くなった傷跡
縫った跡もまだ残っているわ
今でも時々 悪いわたしを流したい
カミソリは今はお守りとしてベッドの下
欠陥商品みたいです
交換も出来ないみたい
ごめんね パパ ママ
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