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花
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作詞 ビスケット |
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心の砂漠に咲いた 一輪の小さな花
間違って咲いてしまった花
水をやるわけでもないのに 僕は
その花を抜く気にはなれなかった
ある人がこう言ってきた
とてもきれいな花ですね、と
僕は目をそらして
聞こえなかったふりをする
またある人がやってきて
その花にそっと水を注いでく
僕は顔を背けて
見られなかったふりをする
そうして 少しずつ 少しずつ
枯れそうな花を精一杯 守り続けた
それでも 守っていたのは僕じゃない
それでも 花を咲かせていたのは僕で
花は やがて種を落とし 芽を出して
新しい花を咲かせていく
いつのまにか 僕の心の中の砂漠は
美しく咲く花でいっぱいになっていた
ある日 僕はその花を抜こうとした
でも どうしても抜けなかった
もう僕は その花がなかった頃の自分を
心に広がる砂漠を思い出せなくて
泣いた なんでかわからずに 泣いていた
流れた涙は 僕の心にそっとしみこんで
また美しい花を咲かせた
初めて僕は 花に水をやった
その花は 今まで見た中で 一番美しかった
そして 君が微笑みながら言う
とてもきれいな花ですね、と。
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