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神曲
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作詞 閃月 |
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ただ音を奏でながら
一人淋しく歌を唄う
風が吹く音に耳を澄まして
月明かりの下で神曲を
草木は風で靡きながら
音を聴いて
与えられた水を零す
月明かりは男を照らして…
曲を誰かに捧げるように
無心に音を奏で続ける
奏で唄う者を照らす月明かり
哀愁を纏った神曲を
贈る者のか贈られる者のか
涙が一雫落ちた音
聴いてるものは誰もいない
聞いてるものはいるかもしれない
歌は空を渡って誰かの元へ
流れる風と涙と共に
哀愁漂う男の神曲は
やがて終焉へと近づき
鎮魂歌(レクイエム)となり天へと響く
響きはやがて遠退いて…
曲はまるで導かれるように
音を望む誰かの鼓膜へ
奏で唄う者は戸惑いながら
自分の神曲を耳にする
奏でた者のか望んだ者のか
誰かの微笑みが見え隠れ
神曲は終焉を迎え
耳なりだけを残していく…
まだ聴こえてくるのは
誰かの涙の落ちる音だけ…
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