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ある夏の夜
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作詞 咲 |
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暑かった夏ももうすぐ終り
後少しで匂わなくなる夏の香りが漂う
ある夏の夜
いきなり着信音がなった
ーこんな時間になんだろうー
光る画面に映る名前に驚いた
でも君もあたしの名前を消していない事が
何だか嬉しかったよ…
久しぶりに聞く君の声が耳から伝わって
全身に広がり あたしの体温上げて行く
静まり返った部屋に鳴り響くインターホン
癖のある君のノック
まるであの頃に戻ったみたいで
涙が溢れてきたよ…
涙を拭かずに
鼻声で 「…入って」 そう言ったのは
君が抱締めてくれるかな…って…
卑怯だけど ちょっと期待したから…
嫌な女だね…いやらしいね…
でもね あたしをこんな風にしたのって
君じゃない?
なのに君から手を放して…
そんな君だって十分卑怯じゃない
こんなささやかな願い
裏切るならそんな顔しないでよ…
期待を裏切られたと思って
しがみつこうとしたその時
君の暖かく大きな手が
あたしの体に回された
君の心臓の音が聞こえるくらい
強く……強く……
そして君はあたしの耳元で
君の唇が触れるぐらい近くで
こうささやいた
「ごめん…まだ好きなんだ……!」
嬉しくて嬉しくて…
心から溢れ出す暖かい物が
目から出る液体に変わり次々と頬を伝う
さっきとは違う… ”倖せの涙”
あんなに遠かったあなたの声が 温もりが
こんなに近くに…
ある夏の”倖せな”夜の事
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