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囚われの僕と末端の君
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作詞 桐 |
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「貴方に絆されることは許されていない」と
君は自分に言い聞かせるように繰り返す
口の利けない僕はただ笑うことしかできず
そのたび君の苦しそうな顔を見る
君が銀色を僕に近付けても嫌わないよ
僕の清潔すぎる世界には君一人しかいないから
白い壁の檻の中で生きていくのは
思うほど難しいことではない
だけど好きなものを抱けないつらさは
きっと何よりも耐え難いんだろう
「これから暴れず静かについてきなさい」と
君は僕に囁きかけ警戒しながら歩く
何か思い切った顔で前を睨んで腕を引く
僕は戸惑い足が縺れてしまう
その決断はもしかしたら間違いかもしれない
けれど君が僕のことを世界に入れてくれたのならば
白い壁を壊しながら君の手を引く
君の後ろに白衣がはためく
僕はその思いに応えてみせるよ
きっとそれはしあわせだろうから
警告のランプが僕たちを笑うように 明るすぎる世界を赤く変えていく
足元に広がる弾痕を遠ざからせて 潔癖な世界を出る
気付かなかった 後ろにまだ誰かいたことを
僕じゃない赤が流れる
君は僕に微笑んで逃げなさいと言う
僕は僕の世界で独りぼっちになってしまった
君が刻んだ傷痕から 埋め込んだ装置から
世界でいちばん哀しい悲鳴が聞こえる
君と二人きりの世界が良かったんだ
きっとそこに行くから 少し待ってて
雫が汚れた白衣を染めていく
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