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楓
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作詞 思 |
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ふわり風が吹いてなびくマフラーと
ほのか 香る秋をのせた長い髪
ちいさな手を包む赤い手袋が
僕の冷たい手に触れて そっと繋いだ
「もうすぐ秋は終わるけど 僕達は
いつまでも終わることなく、一緒だよ」
繰り返し、何度だって約束した
幼かった僕達に怖いものなど 何もなかったんだ
寒がりな僕達だけれど
二人で温もり分けあって
幸せを幸せと感じられないまま
気づいた時には君の残り香だけが揺れている
いつだって後悔と行き場のない想いだけが
僕の手元に残されて 君は静かに消えていた
分かっているつもりだった 愛情は
不確かで形も無くて、繊細で
永遠に続くものなんかじゃないんだ
それでも心のどこかで夢見ていた 永遠の想いを
無邪気過ぎて気付かなかった
冬はすぐそこに来てたんだ
愛しさを愛しいと伝えられないまま
気づいた時には君は思い出の中揺れている
贅沢も幸せも 他に何もいらないから
ここに来てどうか笑って もう一度、この手を取って...
大好きとそれだけを伝えられないまま
君の足跡を探し追いかけて ねぇ聞こえる?
いつだって慟哭は 安定剤にもならなくて
僕の右手に残された 熱も 秋も静かに消えていた
ふわり風が吹いて一葉僕の手に
落ちた赤いてのひら 小さな楓
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