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哀しい人魚姫
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作詞 紗夜 |
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最初の出会い
月の綺麗な晩だった
月の光を背に受けて
一人佇むあなたの姿
なんて美しいその微笑
それが私の
哀しい物語の始まりだった
声を捨て家族を捨て
血の出るような脚の痛みを伴い
あなたの傍に来たのです
歌姫になれぬなら
せめて舞姫になりましょう
歌を歌うのは楽しかった
舞うのは脚を斬られるようだった
それでも舞えて嬉しかった
見てくれたのはあなただから
あなたは微笑んで言った
お前は世界で一番大切だと
世界で一番嬉しい言葉
けれど一番残酷な言葉
だって私は
あなたの小さなかわいい妹
でも違うの
私はあなたの妹になんか
なりたくなかった
最後のお別れ
月夜の綺麗な晩だった
揺れる揺れる船の上
揺れる揺れる私の心
姉様達が私のために
この世で一番綺麗な髪を切ってさえ
ナイフを差し出した時にはもう
私の心は決まっていたのよ王子様
声を出せないのが一番辛いと感じたのは
あなたの寝顔を最後に見た時
せめて最後ありがとうと
失われた綺麗な声とキスで
伝えたかったわあなただけに
お幸せにって笑顔で伝えるから
さようならって言わないから
その代わり
最初で最後のわがまま聞いて
私のこと 忘れないで
ずっとずっと
気付かなくてももういいの
哀しい哀しいことだけれど
あのね
光り輝く空へ向かう時に
人間になれて本当によかったって
思ったのよ心から
だって
海の中の世界より美しいものを知ったから
頬を伝うのが涙だと知ったから
あぁ
いつまでも
幸せでいてくださいな
王子様
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