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部屋
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作詞 紗夜 |
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カーテンは
閉じるためにあるのだろうか
誰も気付かない小さな悲鳴
何のために上げたのか
苦しくて苦しくて
それは涙さえ枯れた彼女の
最後の最後のSOS
けれどやはり
誰も気付かない
永い永い夜が続く
朝はもうやってこないと
信じてしまったものだから
月光さえ拒むように
彼女は重いドアを閉じる
彼女は分厚いカーテンを引く
そして何もない暗闇の中
彼女は眠る 夢も見ず
自らで自らを苦しめながら
けれど朝はやってくる
小鳥達の囀りと共に
彼女は拒みはしたけれど
それでも朝はやってくる
悲鳴を感じたたった一人のその人は
そっとドアを小さく叩いた
寄りかかることを知らない彼女は
そっとドアを小さく開いた
その人は
白く細い彼女を見て
まるで妖精のようだと思った
そして彼女は
光と言う名の宝を知った
部屋の中は初めて光で満ちた
陽光ではなく
彼女の微笑の輝きなのに
朝陽が綺麗な朝に
カーテンは静かに舞っていた
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