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生きるという哲学
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作詞 ぽこぽんО |
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森の中で独りさまよう
霧の中で独り佇む
道の上で独り呟く
白い息を独り吐き出す
この永い道を独り進んでいく
この永い苦痛を独りで耐え抜く
この永い空虚に独り生きて行く
この永い空腹を独り感じる
その短い幸せに独りしがみつく
その短い快感に独り堕ちて行く
その短い充実に独りぶら下がる
その短い満腹を独り抱え込む
形の無いものを胸に抱えて
形の無いものを背中に背負って
形の無いものを心で触り
形の無いものを両手で潰す
冷たい空の下で独り立っていると思い出す
親を兄弟を飼い犬を友達を今まで出会ってきた人々を
暖かかった家庭を暖かかった会話を暖かかった体温を
独りだと思い込んでいた
冷たい空の下で立っているのは一人だが自分は独りではなかった
人と巡り逢って二人になって人と離れ逢って独りになった
宇宙から見たら自分はちっぽけだが蟻から見たら自分は巨大である
自分の生きる理由とは何だろうか
明日(あす)生きているか分からない蟻から見たら理解不能であり
あまりに広がりすぎて悩みなど無い宇宙から見ても理解不能である
自分が今最も悩んでいることは理解不能なことである
人間は理性を覚えたから失脚して失敗し失墜した
蟻は生きる宇宙も生きる自分も生きる
そもそも生きるという事に人生を歩むという事に答えなど無いのだ
そう呟いた誰かの声が聞えた
冷たい空の下蟻が僕を見上げる
僕は宇宙を見上げた
冷たい宇宙の中僕は明日(あした)も生きていく
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