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月の降る街 -朔-
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作詞 YAMAMOTO |
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――今宵は満月になるでしょう
でも曇が架かって見えない
月は向こうで泣いてるの?
ずっとずっと向こうの空で――
明るい部屋に今宵も一人
温もりを探しながら
暗い心が宿っている自分
近くで光は弾けた
明るい部屋とは大差がある
外に出れば暗い空と肌寒い風
曇り空に星が煌く事は無く
今にも泣き出しそうな曇り空
そこに一筋の光が――
――無気力になってしまったら手が使えない
手が使えないなら足も使えないんだろう
全ての感覚は阻害されて機能を停止する
精一杯足掻くか否か…己のみぞ知る方法――
全ては煌かぬ夜空が知っていた
曇の向こうの空のみが見ていた
人の心
曇った
光が今
消えた
完全な命、不完全な命
平等な命、不平等な命
全ては人と空を繋ぐかのような…
禍々しい反復の声が空から降る…
――手を伸ばしてもほら、届かないでしょ?
あんなに近くにあるのに掴めないのね…
酷いと想わない?現実って残酷でしょ?
でも…きっとそんなものなのでしょうね――
輝きは失せ部屋の明かりも消えた
真っ暗な空が包み込む全ての世界
もう既に光の在り処は分からない
弾けた光は見つからぬまま絶える
――ねぇねぇ見えてきたよ!
とても綺麗なお月様だ!
さっきまでが嘘みたい!
空が明るくなってきた!――
夜空は一気に明るくなり夜街を煌々と照らし始める
降り注ぐ月光の下に集う民達は空を見上げ歓喜する
それが世界の崩壊の合図とも知らずに…
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