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君と出会ったのは雨上がりの午後だった
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作詞 水 空 |
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君と出会ったのは雨上がりの午後だった
雨に濡れないよう雨宿りしていたとき
そこへ君も雨を避けるためにやって来た
それは驚くほど可愛らしい女の子
川を流れる水が雨で濁るけれども
そんなこと気にもせず僕らは橋の下で
何かに気付いたように見つめ続けていた
僕の場合それは心の中で疼いた
雨でずぶ濡れの僕を気遣って
ハンカチで優しく拭ってくれた
ヒトの心の温かさに触れた
初めての夕暮れだった
「ありがとう」とお礼を・・・
それだけでも良いのに
僕は何も言えない
伝えられないんだ
その日から君は時々逢いに来てくれた
君はいつも僕に食事を作ってくれた
コンビニで買った缶詰でもおいしかった
君の優しさに涙が止まらなかった
けれど僕はある時気付いたんだ
この恋は叶わないということに
君を必要とすればするほどに
君から遠ざかって行く気がした
たとえ通じなくても
「優しいね」それだけ
声かけてやるくらい
僕にでも出来ただろ?
「ありがとう」とお礼を・・・
それだけでも良いのに
僕は何も言えない
伝えられないんだ
たとえ通じなくても
「可愛いね」それだけ
声かけてやるくらい
僕にでも出来ただろ?
「ありがとう」とお礼を・・・
それだけでも良いのに
僕は何も言えない
伝えられなかった
君と出会ったのは雨上がりの午後だった
そして君が来なくなった日も同じように
虹の色鮮やかな雨上がりの夕暮れ
ほら、だから言ったろ? この恋は叶わないって
時は流れて季節はまた梅雨になったよ
僕は今日も濡れた体を震わせるけど
優しく拭ってくれる君の姿はない
一人に戻っただけ 寂しくなんてないよ
人に恋をした悲しい猫の物語
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