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夕焼け色のトロンボーン
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作詞 続きかおる |
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小さなかばんの奥をさぐっても
いつも一緒にいる赤いえんぴつが
何処にも見つからないものですから
一度下りた坂を駆け上がりました
日も暮れていきそうな校舎には
ようやく何人かを見かけるほどで
この時間には馴染みのない顔の私は
なるたけうつむいて階段を登りました
最上階へ最後の右足を踏み込むと次の瞬間には左足が並んでしまいました
廊下の先にあるガラス窓には
大きな夕日が映えていたのです
それとほぼ同時に耳には素敵な音符
吸い込まれるように教室へむかいました
そこで私が見つけたのは金色のえんぴつでも夕日でも楽器でもなく
今となってはかけがえのない小さなキラキラでした
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