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十人十色の世界
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作詞 菜桜 |
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少しずつ
近づいて来る秋の香り
少しずつ
遠ざかってゆく夏の気配
昼の蝉の声が小さくなり
夜の虫の合唱が聴こえる
遠いようで近い 高いようで低い
真っ青な空に浮かぶ雲も
わたあめを連想させる形から
薄青の秋雲へと姿を変えて
過ぎてゆく
陽射しが 風が
過ぎてゆく
空が 雲が
過ぎてゆく
季節が ひとが
変わっていくんだ
必ず過ぎる時間(トキ)と共に
この世に生まれ来るものたちが
十人十色のこの世界
僕は少しだけ 立ち止まっていたいんだ
僕が生まれるずっと前からある
神社の大きな御神木
1年 1年 越えるたび
一層深く また時代を知る
僕が生まれた頃に埋め立てられた
大きくは無い緩やかな川
1年 1年 越えるたび
名を忘れられつつ 存在している
この惑星(バショ)が生まれた時から
ずっと僕らを見下ろしている
『空』という名の 偉大な父が
この世界(バショ)が生まれた時から
命の源となり 時に理不尽な
『海』という名の 優しい母が
何億年も前の生命(イノチ)と同じ地に立つ
けれども違う存在の 『人間』という名の僕らを
今でも包み込んでいる
淡く拙い言葉で綴る 生命(イノチ)が奏でる旋律を
現在(イマ)を生きる者たちが 精一杯奏でる旋律を
悠久に ほど近い この時間(セカイ)の中では
僕らが生まれ、死ぬまでの 永く思える毎日は
本当に 一瞬の出来事
十人十色のこの世界
僕は少しだけ 立ち止まっていたいんだ
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