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夕暮れと少女
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作詞 ツェッペリ |
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空は緋々色に染まる 少女を連れて
目にためた雫は虹をつくるわけない
痩せた輪郭をそっと撫でて重力に負ける
胸しめつける光景に祈る人もいる
少女の目には強い決意が込められている事も知らず
泣き笑い怒り喜び営む
あたりまえの事が奇跡に変化したのは科学のせいか
また別の神のせいなのか
うやむやにしたまま陽は沈み星々はただ輝くばかり
ノスタルジーでもセンチメンタルなんかでもない
儚くも美しい英断と決別の涙は
核融合が発する光に溶けただけ
ただそれだけ
坂は延々と続く 時間を置き去りにして
踏み出す足はその場で踏みなおすだけで
高いビルの向こう側の景色を少女には見えず
車に排気ガスを吐かせてく人もいる
その煙が自分の肺にささっていることも知らず
歩き走り立ち止りまた進む
あたりまえの事を美徳にしたのは科学のせいか
はたまた自分のせいなのか
うやむやにしたまま自転車のペダルはくるくる回る
イミテーションのアジテーションが東西南北
幾千の人工の憐れな光や音は
悲しくも脳を洗い流してしまうだけ
ただそれだけ
夕日は少女の背中を押す前へ前へ
緋々色に染まった少女は前へ前へ
うつむいてばかりの人々には眩しすぎよう
それでもって思って少女を見つめるのは
夕暮れか人間か科学か神か
どれでも何も変わりはしない
結局はただそれだけの話
少女はそれでもって思って進む前へと
緋々色に焼けついたアスファルトには確かに
少女の足跡があった
ただそれだけ
ただそれだけ
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