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生きること
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作詞 龍樹&紅影 |
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ここは病院
その病棟のひと部屋に5歳の女の子がいた
突然彼女は
「私いつまで生きられるの?」
彼女は僕に問いかけた
僕は何も答えられなかった
ただ
「おじさんにも分からない・・・」
とあやふやな意見を返すだけ・・・
本当は何日か分かってるのに・・・
彼女の生きていられる時間はあと3時間
告げて絶望するよりはこのままにしといてあげたい
そんな考えだった僕・・・
そんな時彼女が僕に泣きながら言った
「私あと何日生きていられるの?
おじさん知ってるんでしょ?
教えてよ!」
彼女の気迫に押され僕は真実を伝えた
「君はあと3時間くらいしか生きていられないんだ・・・」
彼女は僕の言葉を聞いた後すぐに
布団にもぐりこんで大声をだして泣いた
僕は自分のやったことに急に罪悪感が沸いてきて
頭の中が真っ白になった
そんな時彼女が泣きじゃくりながら
「泣いてる時間はないんでしょ
私残りの時間精一杯生きる」
彼女の涙で潤った瞳の中から
強い決意と覚悟が伝わってきた
その後2時間彼女は必死に手紙を書いていた
書き綴る言葉すべてに思いを込めて
それはまるで遺書のような手紙だった
僕は途中まで見ていたが
彼女の思いを考慮しその部屋から出た
ナースコールが響く
彼女の部屋からだった
残り1時間・・・
彼女は緊急手術を受けにいった
僕はさっと着替えて
彼女の前に行った
そのとき彼女はあの手紙をもっていた
手術は難を極めていた
僕は彼女をもっと生きさせてあげたくて
必死に作業を続けた
彼女はあの手紙をにぎりしめ
死の恐怖に震え 涙を流していた
彼女の震える手をギュッと握り締め
涙をこらえながら手術を続けた
「ありがとう・・・・おじさん・・・」
ピーーーーーー
静寂に包まれた部屋に心電図が響き渡る
告知から3時間15分・・・・
彼女は必死に生き続けていた
「ありがとう」
という彼女の最後の言葉が僕の心の中を浸透していく
空は不気味なほど赤みがかって
カラスは夜の訪れに涙した
僕は彼女の持っていた手紙を彼女の家族に手渡し
ロッカールームで泣いた
僕は彼女から生きることのすばらしさを教わった
彼女は自分の生きられる時間を知っていつつ
精一杯生きた
彼女はもうここにはいない
しかし僕の心の中に彼女は生きている
僕は今でもずっと彼女のことを覚えてる
僕はずっと心のなかで繰り返す
彼女の最後の言葉
「ありがとう」 を・・・・
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