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Vampire
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作詞 seek |
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その美しい仮面の下には、一体どんな貌が隠されているの?
妖艶に微笑む貴方は、私を見つめ、接吻た。
気が付けば、見知らぬ部屋のベッドの上に。
天秤付きのそれは、異様な雰囲気を放つ。
「・・・此処は何処?」静寂の中で、呟いた。
此の世のモノとは思えない鮮やかな紅色に魅入られて。
この意識は紅に侵される。
その美しい仮面をはずし、私に見せたその貌は。
恐ろしい程淫らで麗しく、嗤っていた。
ベッドの上から逃げようとする私をあやす様に。
貴方は言う。「恐がらないで、私の瞳を・・・見て。」
無意識に視線は、貴方の瞳へ。
此の世のモノとは思えない瞳に映り込むその紅色は。
私の意識を真紅に染めて・・・。
首筋に沈む鋭利な牙。
チクリと痛むのは一瞬で、その後に感じるのは甘美な快楽。
朦朧とした理性が抗おうとしても、従順な本能がそれを許さない。
捕食される恐怖が、意識を占有する貴方だけが、私を保つ。
貴方無しではもう生きられない。
私の愛しい人。
その端正な口許を緩め、嗤いながら貴方は言う。
「これで貴女は私のモノ。もう二度と手放したりしない。
私の愛しい人。どうか永久に私の事だけを想って・・・。」
此の世のモノとは思えない瞳に映り込むその紅は。
怪しく誘い、侵食する。
此の世の全てになったその紅は。
私の全てになった。
今や私の意識を占めるのは・・・赤、朱、紅・・・。
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