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今までありがとうございました!
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作詞 竜斗って呼んでください! |
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朝もやがまだ消えない時間帯に 先輩はコートへ行ってボールの空気調節をしてくれていた
俺はギリギリの時刻にコートへ着く 朝の第一声は
『おはようございます』
先輩も明るく『おう』 と 返してくれた
朝練をすませて 試合会場へ向かう―
皆がギャーギャー騒いでいる中 先輩は一言も発さなかった
開会式が終わり 試合が始まった 第一試合が4試合目だったので
俺は先輩とウォーミングアップをした 先輩はいつもより速いペースだった
そして試合が始まった 始めはストレート勝ちで余裕だった
第2試合の前には先輩と作戦を練った 理由はおそらく 第2試合は1番シードとあたるからだろう
先輩と俺の持つ知恵はすべて出し切った そして試合開始―
コレに勝てば県大会に進めるという試合 俺は全力を尽くしてボールにさわり打ち込む 先輩は甘いボールを綺麗に決める だが相手は1番シード 一筋縄ではいかなかった
結果は 『敗走』だった
俺は先輩を県大会に連れて行くことができなかったのだ 泣きたくないのに涙が溢れ出してくる 『俺のせいだ 俺のせいだ』
でも先輩は俺にこんな言葉をかけてくれた
『お前は頑張ってくれたよ 今までありがとうな』 滝のように涙が溢れ出してくる
なんていい先輩なんだ そして それはこっちのせりふだ とも思った
俺は先輩に頭を下げていった
『今までありがとうございました!!』 先輩の顔からもこらえていた涙が流れてくる
俺たちは声を上げて泣きながら肩を抱き合った 俺は誓った『来年は勝つ』と―
本当にいい先輩だった もういっしょに部活はできないけれど・・・
これからも頑張ります 本当に『今までありがとうございました!』
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