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花
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作詞 polca cat. |
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教室の窓際の机に
引き込まれた花がありました。
それは簡単に消すことができないほど、
気に入った形をしていました。
花の数は少しずつ少しずつ、増え続けました。
まるでサインのように。
どんな人が描いたんだろう?
私もひとつ真似して描いてみました。
――彼と出会ったのは放課後の教室。
「それは、花でも絵でもないよ」
と言うその目は、静かで、孤独に見えました。
夕方、すれ違うように、存在する私たち。
違う世界、知らない世界にあなたは住んでいる。
次にあなたの姿を見たのは河川敷だった。
12色の絵の具を絞って、水に捨てる姿。
彼の昔を聞いた私は、問いました。
「あなたはどうしたら、゛あなた″を取り戻すことができる?」
―――絵を、情熱を、安らぎを。
そうして、私は飲み込まれていきました。
あなたを好きになりました。
いつも
空、風、街を見れば、あなたを思い出しました。
それが指、髪、そして肩からこぼれていきます。
落ちていく想いは花の絵になりました。
払いのけられるように思えるところで、
あなたは、繋がって、とめられていました。
――夏の終わり
机に書いた気持ちを持って、あなたは行ってしまいました。
「どこに行くことができるの?」
口には出さなかったけれど、
胸の中で言葉は沈んでいきました。
抱きしめられた時、あなたの腕はとても温かかった。
あなたが言うとおり、
天井に屋根裏に落書きされた、たくさんの花。
それは、中心からの床へとこぼれました。
そして、私の心の奥にも流れ込みました。
あなたの花は今も温かく、
確かに私のなかで咲き続けています。
夏の青空に変わって、高い空に秋風が吹く中でも。
私を思い出した時は、迷わず会いに来てください。
心が求めるままに。
いつもここには優しい花が咲き続けているから。
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