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鬼灯
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作詞 鬼之子 |
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それは朱色に染まった夕日が反射しただけで
別に翻筋斗(もんどり)打った鳥が鳴いてるわけじゃない
彼(あれ)を御覧あれ 何処へ行かれるか? 彼(あ)の諸人は
迚(とて)も迚も 千鳥足 沼に掴まり 滞る
可愛い御稚児よ 早(はよ) 其(それ)を持ってきたまえ
行き場を無くした 狐火を導く音色
雨に濡れた 向日葵 赤く染まり 枯れていく
灰は仄かに舞い散り 煙(けぶ)る声 聲に響く
誰も不在(いな)い 河辺で欲するほどに嘶く
朱に染まった 鬼灯(ほおずき)に接吻(くちづけ) 姫は謳う
人の運命など極彩色の画用紙に塗りたくられた
神韻縹渺と論う神の塵芥と
心猿と成った 衆生共が群れる中心には
心火に燃ゆる 姫は深淵に落ち行く
神鏡に映りし 吾子の末路よ
行き場を無くした 我の灯(ひ)が消えるわ
雨に濡れた 紫陽花 紫の陽(ひ)など 昇らぬ
爛れた 屍は風に吹かれて 肥(ひ)にも成らぬ
無くした暁は壊れたかの様にその場で動かないまま
私の背中に抱き着く 影法師が小声で謳う
『神は貴様等を遠の昔に見捨てておるのに
未だ 飽きもせず 縋り付くか?』
鉛の雨が降って 周りは積み木が崩れる様に
海は夕日が涸れる様に血の色で染まり行く
雨に濡れた 向日葵 赤く染まり 枯れていく
灰は仄かに舞い散り 煙(けぶ)る声 聲に響く
誰も不在(いな)い 河辺で欲するほどに嘶く
朱に染まった 鬼灯(ほおずき)に接吻(くちづけ) 下を噛み千切る
彼の日と何等変わらぬなら 散華は徒死に呻く
それでも何等変わりもなく 諸人は海を泳ぐ
彼の時も不知(しらな)い 餓鬼共は下を切られる
鬼灯は破裂して 種を蒔いて また 鳴き響く
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