|
|
|
「病まぬ雨にて」
|
作詞 ●殻虚● |
|
勢いがあるわけでもなく 微風交じり
湿気だけは しっかりと 含んでおります
太陽の光を拒むような 厚い雲
それは まるで
花を わざと枯らそうとするかのようです
のらりくらり 空は流れ 耳障りな 雨音は
永遠かのように いつまでも 続いています
美しい星空は もう 思い出せそうもありません
それは 悲しみのようで 安堵のようで
虹が出れば 救いなのですが あれは
光の屈折ですし 陽が射さなければ 架かりませんから
気長に 待つこととします
そうやって 10と余年 私は この縁側で
空を見ながら 寝転んでいるのです
嫌いではない この空が
いつか 光に包まれる日が来るのか などと
独り 密かに 賭けたりしながら
|
|
|