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婆と御粥−後編−
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作詞 ●殻虚● |
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話は変わるがな 生きている人間の
何割が生きていると思うかえ?
ははは そうじゃない 心がな
善くて3割 いや 2割かのぉ
皆 心臓が動いとるだけじゃ
生きるちゅうことは 動くっちゅうことや
心が動かん人間は 死んどる 生ける屍ゆぅやつじゃ
しゃあけど あんたしゃんは生きとるやろう
恐らく この世で一番生きとるわい
ほんで まだ生きておる
屍が気付けんことに 心打たれる
今を生きんしゃい 未来を生きることはできんのや
皆 こぞって此れに夢中になっておるがな
折角 身体が生きとるのに勿体無いさなぁ
この婆も それに気付いたのは最近じゃがな
ははは 人間は阿呆やでなぁ
さてさて 夜も更けてきた
婆も長話をしてちぃと 疲れた
そろそろ 眠るとしようかのぉ
ゆっくり眠りゃんせ 大丈夫じゃ
主が死んでも 婆が弔ってやるさね
婆が死んだら 主が弔っておくれ
ほんで 明日からは 生きたいように生きんしゃい
寂しけりゃあ 此処におれば善い
ははは 婆と一緒は嫌かいな
お好きな様にしやんせ あんたさんの魂はあんたさんのものや
ゆっくり 使い方を考えたらええ
あんたさんの悟りは あんたさん自身が開くんや
ありゃりゃ この子も寝てしまわれた
まぁまぁ 寝れることは善いことやがな ははは
さぁて 婆も寝るとしようか
・・・そこにおるんやろう 死の神さんや
もうちいと待ったげてくれぇや
あの子は未だ 死ぬ時に笑えんよってに
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