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婆と御粥−前編−
作詞 ●殻虚●
ありまぁ、またおいでなすった
はは こりゃ失礼 最近来客が多くてなぁ
まぁまぁ 外は寒いじゃろうに
此方の囲炉裏にお当たりんしゃい

随分 歩いてこられたみたいじゃ
足が豆だらけになっておる
いやはや 痛そうなこと

今時 御粥が出来たところじゃ
身体が冷えとりゃ 心も冷える
まずは これでもお食べんしゃい

冷めた身体にゃ ちぃと熱いが
氷を溶かすにゃ 丁度善い

しゃあけど 火傷はせんようになぁ

時に貴方は いやに悲しい眼をしておられるな
そろそろ 身体も温もったろう

此処で出会うも 互いの定めや
この婆も 伊達に少々生きてはおらん
善ければ 何ぞ 聞かせてくれぬか


はぁはぁ 生きたくても生きられぬ?
心の臓の病かな? いや それはどうでも善い事か

そりゃあ 難儀じゃったろに

そうやな 死ぬとは如何なことじゃろか?
独りになること 彷徨うこと 天に昇ること
はたまた 地獄に落ちること
貴方しゃんはどう思われるかな?

よう分からんか 若いものなぁ


婆が思うに 死ぬこととは戻ること
生の始まりに戻ることさね

この婆も 片足桶に突っ込んでおる身じゃ
今日が命日かも知れん 布団で毎日そう思う

しゃあけど 怖いのは死ぬことじゃあないでな
悲しいのは死ぬことじゃあないでな

何やろう 死ぬとな 今までの苦労や善行 いわゆる「自分の証」やな
それら全てが泡に なることがな
悲しぃて 苦しぃて ひもじいんよなぁ

でもな 今はこうも思うんや 
あぁ そうじゃ目を瞑ってごらんや
川の音が聞こえるじゃろう 

人間も如何なる物もな 全ては水から生まれとる

水は綺麗じゃ 特に此処いらはのぉ
然し 止まってしまえば淀んでしまうんや
幾ら 綺麗な水でも 淀んでしまう

わし等も一緒よ 流れにゃあ 淀むんよ
じゃからな 流れにゃあ いかん

川から 流れて 海
海から 昇って 雲
雲から 降って 雨
そういって 形を変えて 回ることでな
やっとこさ 保っとるんじゃないかのぉ この浮世もな

そう考えるとや 死ぬことは 何も悪いことじゃない
流れるだけさね 次にの場所になぁ
ほんで 元に戻る そうすりゃ怖いことじゃあ無いさね

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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歌詞タイトル 婆と御粥−前編−
公開日 2007/04/13
ジャンル その他
カテゴリ その他
コメント 婆と白湯の別編。1話目との絡みは特に無いです。超長編。なので、前・後編に分けました。
●殻虚●さんの情報













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