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−餞の花−
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作詞 ●殻虚● |
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何の因果か 私は看る人である
御老体に 博愛と餞(はなむけ)
既に生き過ぎた存在を思わせる 現代の末期
日を追うたび 小さく硬く乾いてゆく
「殺してくれ」と 幾度耳にしただろう
私は 栄養を垂らし込み生かす
私は 彼らの罪である
脆弱な意識の中 何を思うのだろう
崩壊しかけのあなた達は
悲しみの丘に立っているのですか?
何の因果か 私は看る人である
彼らの希望は 面会と退院
既に蝕まれ過ぎた彼らを笑わせるは 最終の光(あなた)
その光もやがて 疲れ苛まれ黒くなってゆく
「私が悪いの」と 幾度耳にしただろう
あなたは 任せればよいのです大丈夫
あなたは 彼らの希望です
正常な記憶の中 思い出が溢れては
噛み合わない歯車になり
悲しみと苛立ちが 自己を追い詰めるでしょう?
悲しみの連鎖は 断ち切れはしない
ならば 擦り切れるまで 揺り籠の中で・・・
あなた方は 笑ってあげて下さい 彼らの光であって
あなた方が 笑っていられる様に どうぞ ご自愛を忘れず
私達は その為の道具です よく知り よく使ってください
餞の花は 彼らの意識の中で
きっとあなた方が渡すのです
どうか 笑顔の花を最期に。
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