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機械仕掛
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作詞 殺菌消毒 |
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走りながら手を伸ばす
ぎちぎちと音を立てた腕から
零れ落ちる幾千の花弁
口の中で暴れる舌が
乾いてざりざりと音をたて
奏でる不協和音の群集
僕もあの空へ羽ばたくんだ
夢みがちなその言葉に
そっと微笑んだ私は臆病者
黒い水に鼻まで浸かって
耳だけは
零れ落ちるアナタの声を聞き逃さないように
金属を伝って内側に浸入してくる
砂を詰め込んで
種を植えて
黒い水では育たなくて
他人から奪う花弁は
せめてアナタだけには嘘を吐けぬよう
真っ赤な舌に毒を塗って
闇(病み)色の羽をアナタにあげるわ
空へ羽ばたいて
一時の不幸
僕らは空を飛べないから
その羽に焦がれる
羽を持つものはきっと
地上に焦がれる
じゃぁ
私はアナタに焦がれたの
どうしてかしら?
腕から零れ落ちる幾千の花弁は
私とアナタの、
口で暴れる真っ赤な舌は
私がアナタに、
ぎちぎちとざりざりと
動かなくなるのはどうしてかしら?
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