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Escape
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作詞 刹那胡蝶 |
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冷え切った躯(からだ)を抱え、いったい俺は何処へ飛んで行くのだろう。
乾いた心に響くのは負の感情のみ。
焼ける様な痛みにひたすら耐えて、その先にあるのは何?
捥ぎ取られ翼を失くした片翼の天使。
漆黒の片翼で全てを守っていけるとでも?
愚かしい。
なんて愚かなんだろう。
闇に躯(み)を委ねて行き着いた先には数多(むすう)の死体。
救いの光など、手から零れ落ちていた。
流した涙の数程に、幾つもの希望を捨ててきた。
自分の“価値(いのち)”に眼を背け、ただひたすらに傷を負った。
見つけた光を追って空へ飛び立った。
気が付けば空は真っ赤に染まり、背中の翼は折れていた。
鳥になれなかった俺は、奈落の底に叩きつけられた。
世界が、血に塗れた。
理解(わか)ってた。識っていた。認めてた。
否定したくて逃げ出した。
否定しきれず逃げ出した。
罪に溺れて罪科(とが)を得た。
死神の鎌を喉先に突き付け、更なる罪科(とが)を求めた。
永遠(とわ)なる孤独の世界。
無音の中、幾度も叫んだ。
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