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亡き望みの果ての先
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作詞 華崎枯憐 |
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軋んだ風の声は あなたの囀(コエ)でした
絡み付く熱風は あなたの指でした
あなたはどこにでもいる
私のすぐ傍に
あなたはどこにでもいる
ほら世界中に
凍りついた炎の奥で 澱んだ水が産声をあげる
溶けて爛れた赤子の手が 私の首に絡みつく
滞る風はまた千切れ 千の欠片と散っていく
裂けた大地から手が伸びる その手は その手は 嗚呼
あなたの 朽ちた手
沼の奥の目玉は あなたの瞳でした
海で弾ける白は あなたの生でした
あなたはどこにもいない
私の傍にも
あなたはどこにもいない
ほら世界にも
止む事知らぬ雨の中 狂気色の産声が響く
腐って朽ちた赤子の手が 私の腕に絡みつく
乾く事知らぬ海の底 火照る命の蛍舞う
裂けた雲から足が伸びる その足 その足 嗚呼
私を 追いかける
追いかけないでと叫んでみれば
意地悪に私を連呼する
飛びついてきてと頼んでみれば
意地悪に私を罵倒する
謝罪の言葉は霧と消え
赤い赤が赤赤と赤くなる
白い蝋燭が蒼くなり
消えた炎はただ赤い
嗚呼 嗚呼
あなたは何処(いずこ)?
あなたは何処(いずこ)?
私のお腹の中から あなたはどこへ行ってしまったの…
凍りついた炎の奥で 澱んだ水が産声をあげる
溶けて爛れた赤子の手が 私の首に絡みつく
止む事知らぬ雨の中 狂気色の産声が響く
腐って朽ちた赤子の手が 私の腕に絡みつく
凍りついた炎が溶けて 澱んだ水は清らかに澄み
絡みついた赤子の手が 私の首を締め上げる
しばらく止んだ雨はほら 白い煙(けむ)となって昇り逝く
絡みついた赤子の手が 私の腕をへし折った
ああんああんと囀(コエ)がする
私を呼ぶ囀(コエ)がする
伸びたあなたの手が ほら手が 私の事を締め上げへし折り粉々にして
遠ざかる意識の中で 私 聞いたわ あなたの声
ほら
オ カ ア サ ン …
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