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初めて知った
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作詞 KIMINOUTA |
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血が流れた
その血を見た
醜いなって、苦笑する
今まで醜いものなんて幾つも見てきたけど
こんな笑えるものは無い
誰か涙を流した
その涙を見た
腹の底から怒りが吹き上げてきた
僕は泣けないからそれが愛しく思ったのか
何故が泣きたくなる
誰かが笑った
その笑顔を見た
寂しくなって頬に涙が伝った
泣いた事も無いくせに笑った事も無いくせに
涙が伝った
寂しく無いのに苦しく無いのに
始まりも無かったのに終わりも無いのに
溢れたものも知らないのに
流れていた
瞳から出てきた水を手で拭って
何だこれ、と呟いた
隣に誰かが居た事にやっと気付くと
それは心なのだと気付いた
心が零れて、それが涙という形に変わった
自分も哀れなものになったと気付いた
それでも隣に居た誰かが
涙を流しながら笑ってくれてたのを見て
これは自分なんだと、また零した
その手に染み付いた血を見て
そいつは笑ってその手に触れた
僕はそいつが汚れる事を拒みその手を突き放した
だがそいつは首を振ってその手を強く握った
僕はその手を震える手で優しく掴んだ
力なんか幾つでも手に入れた
いつの間にかその力は誰かを傷付ける為に使い続けてきた
その血も僕の過ちで罪でしかすぎないのに
その力で傷付けた君は僕を許すというのか
初めて触れたその人の心に
僕は初めて笑った
泣いてるくせに、そんな訳無いのに
笑ってみせた
何故だろう
僕が笑ってみせたら
君も笑ったんだ
初めて知ったんだ
僕は此処にいて良いんだと
その手が
その醜い汚れたものが
綺麗なものだと、気付いた
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