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葡萄鼠。
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作詞 杉下來朱 |
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夕方の歩道橋
太陽はここにはあらず、しかし
近くもなく遠くもなく
線路脇の黄色い花を照らしていた
僕は葡萄鼠 葡萄色した、鼠。
甘そうな苺を求めていた
目の前の暗紅色の街頭に照らされて
そこにあると思い込んで
零分から銃後分まで
僕は銀鼠のセメントと
紅梅の落書きと共に
被写体のプライドをそんな所でとっていた。
好き? そんなモン、とっくのとうに捨ててたのにねぇ。
愛してる? は?笑わせんなよ、お兄さん。
嫌い? それ以下ならあるけどな、
そういう感情なんてない。
だって僕は葡萄鼠。
葡萄色した鼠です。
葡萄ばかりを食べてみて、
体も葡萄になりました。
今更他の色などに、
染まれる場所はありません。
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