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子猫と飛行機
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作詞 チバ |
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君が大事そうに
抱きかかえているその子猫
実は
自殺がしたくてたまらないそうです
時々あげるそのあくびは
死にたいが故のため息
いつもうつろな目をして
世界を斜めに見ています
君は大事そうに
しているつもりでも
子猫は
もうほとほと疲れたそうです
時々君に寄り添うのは
体についた蚤をとるため
いつも自分の糞のにおいを
嗅いでいます
おしっこをするのに
怒鳴られて
苦しいのに
首輪をつけられて
なんだか頭が
キンキンするよ
なんだか
おなかが痛いよ
化学物質を
食べさせられて
君はにやけながら
僕を見て
今すぐ逃げ出したいよ
逃げ出せないよ
逃げたくないの
君が大事そうにかかえてたもの
それは子猫じゃなくて
ただの肉の塊
意識などとおの昔にはなれていきましたわ
時々君の腕をかむのは
ささやかな反抗なのです
希望、夢、その類
見つけ出す手がかりなのです
こうべを垂れれば
茶色の床で
こうべをあげれば
天井です
窓の外は
飛行機が飛んで
僕の後ろには
君がいます
未来をみれば
暗闇で
耳を立てれば
掃除機の音
ひげで触れるの
あなたの足で
なんだか
僕はいい気分
子猫のおなかに
詰められた
子猫のおなかに
詰められた
その絶望、欲望、その類
吐き出すための
ペットなのです
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