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ブレスカット
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作詞 ふぁんとむ |
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キャンパスに塗りたくる夜空 星も月も無い夜空
僕の心に陰を落としたソレは
見てると飲み込まれそうで 何か懐かしい気がして涙が落ちた
零れる血で描く星 深紅が黒を蝕んで輝いてく
冷たい鉄の感触は それだけで僕に理由をくれた
滲む傷痕は玲瓏で 麻痺した痛覚は残留している
欠けたピースを嵌めるように 一つ一つ丁寧に描く
温かな光を求めるなら 深い深い黒の向こうに
赤と黒 主張し合う色を上手く絡めて
まどろむ空気で溶ける中 増長していく眠気に駆られながら
自分の未来 殺し続けた手を汚してく
忘れた自分の色 思い出すように
この絵の題名はブレスカット 一生で一度の 最高傑作
キャンパスに塗りたくる夜空 煌めく星が瞬く
白銀のナイフで再び切りつけた
剥がされた瘡蓋(かさぶた)は何も言わず 恨めしそうにもう一度作り直す
滴る血で描く月 少し歪んで笑って見えた
血まみれの部屋 唯々ひたすら絵を描く人
出血多量の躰で 彼を動かす誇りと執念
隠してくれる闇を求めるなら 挑発的な赤の狭間に
微かな鼓動は弱弱しく 終わりの刻はすぐそこに
赤と黒 綺麗に混ざって映え合った
薄れる意識で動かす指 霞みゆく目を必死に凝らしながら
自分の過去 全てを託して描き上げる
揺らぐ命の灯火 分け与えるように
この絵の題名はブレスカット 完成見届け 息絶った
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