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幻書
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作詞 ようしゅん |
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ひとの語りし幻を
おさめし書の紐
紐といて
写すうつしよ
まことの世
開きし者に
つたえましょう
夜のゆめかたるかたりべの
まことをつむぐ
しゅのことば
闇夜に光る瞳のうちに
語る者すらもうおらず
今宵も伝える
悪夢たち
生かして聞くか
世の者よ
死して聞くか
夜の者よ
嘆きの残り
呪の言葉
塞げど聞こえる
呪の言葉
月 浮かべて揺らす
ゆりかごに
ゆれて笑うゆらゆらと
口元滴る赤い紅
流れ落ち染め闇の色
揺り籠眠る赤子の手
広げた手のひら
朱に染まり
たちこめ香りのむせ返る
長き長き
悪夢の夜
悪夢に混ざる
長き世の
夜に奉る呪の言葉
眼を閉じ塞げど
眼に映り
耳とじ塞げど
奥に鳴り
心を塞げど
画はのこる
慌ててとじる悪夢の書
閉じれど続く悪夢の世
命を閉じれど消せはせぬ
永に続くはまことの世
ヒトの騙りし幻を
おさめし書の紐
紐といて
映すうつし世
まことの世
啓きし者に
つたえましょう
世の夢かたる語り部の
まことをつむぐ
呪のことば
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