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ライアー
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作詞 秋良 |
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「ウソついて 悲しかったのは
たしかうんと小さい自分だった
たった一つの小さなウソのため 何日もうつむいた」
「ウソついて 悲しくないのは
一体いつの自分からだろうか
財布はどんどん厚くなる 代わりに心を削った」
「僕はもう 正直者には戻れない」
隣であんたはそう言った
うつろな目でブランコを見てた
「あんた ほんとは正直だろう?」
なぁ あんたがほんとにウソつきならさ
戻れないのもウソだろう
俺なんかに必死に話しかけるなよ 泣きたくなるだろう
「ウソついて 良かったなんて
思えば一度もないことだ
たった一つウソをつくたび 心が軋んでたから」
「ウソついて 笑えたのだって
思えばつい最近のことだ
心なんか残ってないよ もう蛻の殻だ」
「僕はもう 人間じゃないのかもな」
隣であんたはそう言った
うつむき加減で小さく笑う
下からのぞいて 俺は鳴く
なぁ あんたの話がウソだったらさ
心はまだのこっているだろ
俺でよけりゃ聞いてやるよ 泣いたりしないさ
「どうかしてるな お前と話すなんて」
隣であんたはそう言った
俺を抱き上げ 小さく笑う
「お前は僕とは 正反対だ」
なぁ あんたの話がウソであっても
俺はあんたを好きでいるよ
自分のウソを責めるあんたは たぶん誰より強い人
なぁ あんたの話はウソじゃないだろ
俺はあんたが好きだから
自分のウソを責めるあんたを 俺は責めたりしないから
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