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心海
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作詞 きなこ餅 |
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薄墨色の雲が渦巻く 青を奪って
灯台からあなたの船を探した
昨日はもう 過ぎて いた
茨の海に薔薇が一つ 赤を零して
傷口から私の血と混ざった
痛みはまだ 終わら ない
閉じ込めた言葉が 肺を破裂させ
気づかぬ間に 弱音が波と響いた
こんなにも私は脆かったのかしら
こんなにも
幻想は現実よりも側に居たの
あやふやな足取りで あなたを求め
堂々巡り 私と手を繋いだ私
薬指の指輪が滑り深海へ
深く 深く 鈍く
金糸雀の唄想う唇 紅を纏って
綺麗でしょって微笑ってみせたの
いったい誰に向けて? 誰に
嫋やかなそよ風が 飛沫を煌めかせ
私を濡らす 瞳を濡らして潤む
あなたなしじゃ私は不完全なのよ
私だけじゃ
一秒後は一秒前に掻き消されて
継ぎ接ぎの時間さえ あなたを逃し
一体何を 引き換えにすればいいのかと
悩み迷いその答えは深海へ
堕ちて 堕ちて 眠る
臙脂色の空が虚ろに 黒を遺して
灯台の光が辺りを照らす
今日もまた 過ぎて いく
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