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夏野の木陰の下
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作詞 きなこ餅 |
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行かないでと 言う暇もなく
穏やかに夏めく世界へと
君は とっくに飛び出していた
色褪せた季節は 誰のせい?
置いてけぼりの瞳には
暈けた過去だけ 取り残されて
真っ黒な夏野に 立ちすくんで
差し伸べられる 手を待ち侘びた
いざとなれば怯え振り払うことに
きっときっと 気付いていたのに
綻んだ 小さな涙
認めずに 横たわる日蔭から
僕は 飛び出せずにいたけど
涼しい風さえ 冷たくて
独りぼっちの徒花に
何度も吹き付け 責め立てる
透明な隔たり その向こうで
愛おしい君の 呼ぶ声がする
それでも耳を塞いでしまうのは
全部嘘と 決めつけてしまったから
無彩色の陰から見たものなんて
鮮やかすぎて 目を逸らしていた
有彩色の日向で君はいつだって
僕をずっと 待っていたのにね
この瞳には 眩しすぎたんだ
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