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平成最後の夏に死んでしまった君へ
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作詞 きなこ餅 |
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群青の絵の具で塗り上げた
乾ききっていない青春
汗をかいたペットボトルは光る
君の背中はずっと大きかった
蝉時雨も眠ってしまうけれど
畦道はずっとこの季節の先まで
続いてくれると思っていた
君は死んでしまう さよならも待たず
眩しいまま 輝いたまま 夏の幻と
君は死んでしまう 僕は手をふった
その手は掴むためにあったのに
夏草が肺を満たしてゆく
うだるような鮮やかな色
擦り傷だらけの懐かしい痛みも
君と一緒なら平気だったみたい
入道雲を飲み込んでしまう風
風鈴のような泣き声が零れていた
それを独り善がりと責めもせず
君は死んでしまう 何を言えばいい
苦し紛れ しどろもどろ 泥だらけのまま
君は死んでしまう 何者でもない
未来の種明かしも知らないふり
新聞の片隅に佇んだ
消費しきれなかった青春
握りつぶしたペットボトルが歌う
僕らの日々はここでおしまいだと
君が死んでしまう 哀しみを待たず
こんな弱く小さい僕は 夏に焼き付けず
君が死んでしまう 汗と何かを拭う
この手は繋ぐためにあったのに
この手は繋ぐためにあったのに
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