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wrong number
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作詞 human |
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やっとこさ 長期休暇
窮屈な思いで過ごしてきた 日常とはおさらばさ
帰省の予告 知らせとこうかと
10年ぶりに 電話してみた
うろ覚えの番号で ボタン押したら
若い女の人の声
姉貴かと 勘違いして
最近どう?とか聞いてみたら
ただの間違い電話だったんだ
やっとこさ 実家の番号は思い出したけど
あの時の
番号も 声も 優しい口調も 忘れられなくて
もう一度 電話してみた
まさか 泣いてたなんてね 声で丸分かりだよ
ごめんなさい、また間違えました
そう ごまかそうとしたら
この間の人ですよね?
なんて言われて 思わずはにかんじゃったよ
色々 彼氏のこと 長々と聞かされたけど
なんだか 愛おしくって たまらない
今度会えませんか?なんて続きは
俺の妄想にもなかったぜ
会いたかった
君の顔が 見たかったから
会いたくなかった
俺がどんな人か バレてしまうから
でも せめて顔だけ見ようと
待ち合わせたら
大きな犬と一緒に ただ 目をつぶって 立ってた
君は 目が見えないって言うのかい?
でも 逆によかったよ
俺の小指が無いこと
俺の顔が 傷だらけってこと
バレてないもんね
2人と一匹で 並んで歩いて
職業は?って 聞かれたけど
答えられるかよ
ヤクザなんて。
あぁ そうだ
また いつものように
この子も 騙してみようかな
こんなに
おいしいカモはいない
同僚からも そう脅されて
どうしたらいいか 分かんなくなったけど
君だけは 失いたくなかった
こんなに 純粋に
笑ったことなんて 無い
こんなに 真っ直ぐに
信じられたことなんて 無い
もう 嫌なんだよ
人殴って 殴って
クスリ売って
俺は何なんだ?
そう歯向かって 仲間にボコボコにされても
君との電話は 笑っていたい
血まみれの姿でも
君は 分からないから
必ず 会いにいくよ
どうせ 俺じゃダメだろうけど
どうせ 俺じゃ助けられないけど
わかっていたけど
抑えられなくて
ずっと一緒に居たい、って
傷だらけのヤクザが 泣きながら言いましたとさ
怖くて 怖くて
震えていた
俺の 小指の無い手に
見えないはずなのに
そっと 手をあててくれた
そして 返事を聞くと
僕の目からは
生まれて初めて 綺麗な
涙が流れました
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