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プロレスごっこ
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作詞 human |
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とある中学校の とある教室で
流行のプロレスごっこをしていた
なんの変哲も無い 和ましい風景だった
僕も ふざけて首を絞めた
するとその時
腕にずっしりと彼の体重が乗った
腕を放すと 彼は 力なく
地面に
泡を吹いて倒れた
担架で救急車へと運び込まれて
僕は教室でずっと 唖然としていた
その過ちを 理解することも出来なくて
先生方 迎えに来た親
いろいろな人に怒鳴られた
ずっと ずっと 手が震えていた
搬送先の病室で 彼は 意識を戻して
笑顔で座っていた
土下座した 謝り続けた
自分の罪を ごまかすかのように
すると 彼の母親は言った
明日も学校に行ってください と
一番嫌な注文だった
正直 死にたかった
自分が嫌になったってのもあるし
責任から逃れたかったのもある
だけど本当は
皆に 疎外されて生きていくのが
怖かったんだ
死ぬ手段を考えていた僕に
最後の使命が与えられ
翌日を迎えた
道中 赤信号で ふいに車道に飛び出してみた
大きなブレーキ音とともに目を閉じたら
寸での所で止まりやがった
死ぬことも許されず 意識も遠のく中
学校に着いた
立てなくなってしまった僕を
先生方が 両腕を支えて
教室に入った
すると そこには
ぼくを
待ってくれていた人たちが居た
ぼくを
励ましてくれた人たちが居た
体中の力が抜け 泣き崩れた僕に
浴びせられたのは
想像していた罵声じゃなく
心配に満ちた 温かい言葉だったんだ
あれから何年たったか それでも僕は生きている
ただ ひたすらに 真っ直ぐに
僕を信じてくれる 僕を必要としてくれる
僕を待ってくれている
誰かのために。
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