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真っ黒な半紙のハート
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作詞 雨弓 |
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気付かないうちになくなっちゃってた
浮かんでは消えてく気持ちたち
掴もうとして指の隙間からこぼれてった
ぬぐいきれない罪の黒
墨汁で塗りたくられた半紙のように
誰かに触れられたら破れてしまいそうで
そっと金庫の中に心隠した
誰も触れないように鍵をかけて
いつからだったのかな
そんなあたしの心が揺さぶられるようになったのは
弱いときにそっとそばにいてくれるあなたは
あたしの心の鍵でしかなくて
罪をさらけ出してしまいそうで
その優しさは、苦痛でしかなくて
どんなにあたしが突き放しても
あたしを抱きしめて放さなかった
もう泣き方すら忘れたあたしのために
透き通った涙を流してまで
カチリ 鍵が開いた気がした
口から、真っ黒な言葉ばかりを吐き出すあたし
あなたは迷いもせずあたしの心に触れた
心が壊れる―――絶望を感じた瞬間
あなたの手によって黒は取り除かれた
長年の間に、罪は乾いてもろくなっていたのだ
急に 景色に色がつく
瞳に 光が灯った
綺麗にはがれた半紙の中には
透明な、あたしの心が残っていた
あなたの涙と同じ、透き通った色。
口から吐き出した真っ黒な言葉は
宙に浮いて いつしか真っ白な雲になった
あたしの手の汚れは
雲からもたらされた雨によって光り輝いた
あたしでも、人を大切に出来るんだ…
あたしの人生を変えた まぶしい夏の日。
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