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親愛なる、花嫁様
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作詞 ミサオ |
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拝啓 愛しき人
あれからどれだけ経ったのでしょうか
あなたを置いて旅立った僕の目にも
鮮やかな春を感じることが出来ました
あの頃より随分荒んでしまった心に
僕もまだまだ生きていたんだ、と
そんな小さなことばかりを考えながら
まだまだ、生きています
あなたは僕を怨んでいるのでしょうか
小さくなった空を眺めては
そちらの出来事が浮かんでは沈んで
また 空を眺めるのです
その小さな空よりも遥かに小さい僕も
また小さな蟻と共に働いていて、
まだまだ、生きて行けるようです
今更ですが、花を贈ります
あなたが好きだった花を
花束は先日手に入れたそうなので
一輪だけ、贈ります
こちらの空気では息苦しいらしく
沢山の種から生き延びた
こちらの人間よりも強い、花です
突然の手紙には驚かされました
なにせ、これほどの朗報は
久しぶりだったものですから
しかし既に想い出となった繋がりを
ここで断ち切ることを提案します
あなたの為にも 彼の為にも
そして、僕の為にも
こんな見苦しい僕にも許されるなら、
心と共に醜くなってしまった僕ですが
あなたに伝えたいことがあります
それはこれまでの僕との想い出に
ありがとう、ありがとう
そしてこれからの僕との決別に
さようなら、さようなら
そして、あなたの幸福に
おめでとう、おめでとう
そして、あなたのこれからに
さようなら、さようなら
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