|
|
|
絵蝋燭
|
作詞 dnalocin |
|
何故唄っているのか、ですって。
先生の理解も届かぬ答、
貴方に理解出来るでせうか。
丸で蝋燭。火の無い蝋燭。
天辺から、ほら、とろとろとろとろ。
燭台の窪みへ、落ちる落ちる。
楽器も持たずに唄っているので、
声だけ澄んで聴こ得るでせう。
私は文字を知らねエもので。
丸で蝋燭。花散る蝋燭。
天辺から、ほら、ひらひらひらひら。
窪みの外へ、墜ちる墜ちる。
何を唄っているのか、解からぬと?
構いませんよ。期待など在りませぬ。
最初(はな)から在りませぬ。
何故唄っているのか、ですって。
答が有るなら教へて給へよ。
私は何を唄うのでせう。
吾は蝋燭。短い蝋燭。
心臓から、ほら、ごぼごぼごぼごぼ。
此の世の外へ、堕ちる堕ちる。
|
|
|