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疑問
作詞 dnalocin
朝、目が覚めた時、私は今の世界にはいない。
どこか遠くの、それでいて近い、他の世界に立っている。
そこでは、決して会えない人に会えた。
そこでは、決して出来ない事が出来た。
すべては夢のようだった。


夜、意識が消える瞬間、私は他の世界へ旅立っているのだろう。
もしかして、ここは嘘の世界で、毎晩足を運ぶあちらの世界が本当なのかも知れない。
どちらでも良かった。下らない。ナンセンスである。
私は私でしかないのに。
俺は俺でしかないのに。


私の体には違ういくつかの私がいた。
いつからかはわからない。気付いたら、俺と僕と私がいた。
私は普通の女の子。
俺は普通の男の子。
僕は不思議な異次元の住人。


この頃、目を開けることが億劫になってきた。
光を脳から隔離する時が一番楽なのだ。
それは物理的な問題に限らず、他人から発せられる光を視界から遮断する場合も楽だった。
楽は善で、面倒は悪である。
他人から発せられる光のようなあれは、私にとって面倒極まりなく、そして刺激的だった。


私は人間の手が、たまらなく大好きだ。
体毛の薄い皮膚が複雑な波を形成し、柔らかく肉と骨を包み込む。
所々にあるしわと、滑らかな皮膚のギャップが、たまらなく、いい。
すべての人間はそれぞれ違う柔らかい手を持っている。
爪は嫌いだ。なぜなら、とがっているからだ。


冗談の通じない人は、嫌いだ。
楽しくないのだ。
かといっていつもふざけている人も、嫌いだ。
秩序を守っていないからだ。
私といえば、冗談も通じないし、いつもふざけているのである。


俺は、誰だ。
私は、誰だ。
僕は、誰だ。


誰なんだ。

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歌詞タイトル 疑問
公開日 2007/03/14
ジャンル その他
カテゴリ その他
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