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亜人のお話
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作詞 チキン・ボーイ |
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僕はただこの土地で平穏に暮らしてたいだけなのに
僕はただこの土地が好きなだけなのに
人に嫌われたくなかったから何も言わなかった
自分を否定されるのが凄く恐かった
友達に軽蔑されたくないから無理矢理自分を押し殺した
なるべく目立たないように 影の中で生きてきた
誰も僕のことを認めてくれないんじゃないか不安だった
周りから見たら今の僕はダサくないか
僕にとって損か得か
自分の居場所を必死に探してた
なるべく孤立しないためにいつも群れの中に隠れてた
息も殺してた 音も立てなかった ただそこに存在してただけなのに
それすら村人は許さなかった
村人達は
「神のご意思だ」「神のお導きだ」「奴は人の皮を被った化け物だ」
等と叫んで僕を殴って暗い部屋に閉じ込めた
とても暗かった とても寂しかった とても恐かった とても辛かった
音が欲しかった 光が欲しかった 人の温もりが欲しかった
けど毎日与えられるのは「神の制裁」と称された暴行だった
家族は全員焼かれ その熱で僕に服従の印が押され
友も全員拷問され その仲間の肉を僕は食べさせられ
女たちは「魔女狩り」と称された虐殺を受け その血を僕は飲まされた
毎日僕のために同志が死んでいく
だが涙すらも乾ききった 希望も彼方に姿を消した
あるのは絶望だけであった
一点の曇りも汚れもないものであった
次第に闇の中に死んだ同志達が視えてきた
僕はずっと震えながら自分自身を肯定していた
「僕は悪くない 悪いのは人間たちだ」
でも彼らを殺したのは僕だ
そうこんなちっぽけな石のために
そして最後の亜人一族は滅んだ
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