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悪魔と呼ばれた王族の物語
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作詞 チキン・ボーイ |
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オレが街に買い物に行こうとすると、村の子供達はオレの姿を見るなり
悪魔だ!出て行け!
そういって石を投げつけてくる。
大人たちでさえもわが子をいち早く抱きかかえ家の中に入っていく。
そう。でも別に構わない。もう慣れた
街に行っても同じ扱いをうける。
馬の糞を投げつけられたり、水をかけられたり、罵声を浴びせられたり、殴って蹴られても
でも別に構わない。もう慣れた。
お前ら悪魔一族のせいでどれだけの人間が犠牲なったと思っているんだ!?
早く死んでしまえ!悪魔の末裔!!
そんなの街に出る時のお決まり文句のようなもんだ。
慣れた。
往復3間以上かかるでこぼこ道をひたすら歩き続けるのも
別に構わない。もう慣れた。
道行く子連れの親御さんに微笑みかけたら警察に通報されても
構わない。もう慣れた。
水と飯が三日三晩手に入らなくとも
もう慣れた。
でも父さんを待ち続けるのはまだ慣れない。
風に吹かれて開くドアにいつも反応してしまう。
慣れない。でも他は慣れた。どんないに馬鹿にされようが。
オレにはそいつ等を殴る拳はあっても殴らない。
昔父さんが言ってた。
お前は眼もある、鼻もある、手も足も、五体満足だ。
しかし我等の中に流れるこの血が周りの人間たちをそうさせる。
決して悪いのはお前でもなければ周りの者たちでもないのだ。
悪いのはこの私だけだ。
だから決して人を恨むな。殺意を抱くな。
お前にも人を殴る拳を持っているがそれは人を守るためにあるのだ。
なぁにもう少し旅を続ければ次期にこのようなことはなくなる。
強くなれ 愛しきただ一人の息子よ。
神はお前を見捨てない。信じるんだ。
そうか。オレの拳は大切な何かを守るために在るのか。
そう信じて父さんを待ちながら生きてきた。
父さん早く還ってきてくれよ。こんなオレが生きていて何かあるのか。
前を向いて歩いても皆オレを避けていく。
もう待ちくたびれた。信じるのも飽きた。守るものすらないオレは何のために生き続けているんだ。オレは…オレはこんなの望んじゃいない!
もし神がこの世にいるのなら今すぐここに出て来い!!!!
姿を見せろ!臆病者!!なぜオレだけ皆と違うのだ!?教えてくれ!?何が悪いんだ!?答えろ!神よ!!!!!!
オレの拳は…オレの拳はオレを守るために…オレを貶したやつらに復讐する為に存在する…。
そうしてかつて王族だった一族がまた一つ滅んだ。
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