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かため
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作詞 大塚在住 |
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歯ブラシのかたさを知った時
これからを期待してしまうんだ
「 おれは絶対かためじゃないと磨けない 」
「 えー?あたし気にしたことないよ(笑) 」
ここからズレていた
「 きみが言うならかためでいいや 」
「 さっぱりするよ 磨いた気になる 」
「 ふーん 」
「 まあ、これと、あとあれも買おうか 」
歯ブラシのかたさはいつしか柔らかくなっていく
絆されていくのがわかる
「 あたしあれからかためでしか磨けない 」
「 だよな 」の一言
好きに責任は持てない
「 思ったより好きになってさ、
怖いんだから どうしてくれんの(笑) 」
「 いいじゃん、好きになっとけば 」
「 …ねぇ、あれも買ってね? 」
歯ブラシのかたさがあたりまえになった頃
懇ろをとおりこした もうねんねんころりは通用しない
「 あたし駄目だったかな 」
「 そういうことでもないよ 」
全然それならなおさらで、わからないのもあたりまえ
歯ブラシなら、いいよな
だって やわめ と ふつう と かため で済んで
いいよな、それでいいなら
駄目だよな
いいよな、泣くくらいは
きみがいないとこで泣くくらいなら いいよな
今日はこの歯ブラシ、使っていいよな
この歯ブラシがまだ開けたてで
理由をつけて使えたらどれだけいいかな
新しい歯ブラシ買ってはきたけれど
やっぱりこれ以外はなくて
また、かため
磨き終わったらつぶやいてみる
「 さっぱりするよ 磨いた気になる 」
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