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櫛‐くし‐
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作詞 栗原 紺 |
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まどろんでください
嘘の世界に
散々だと云うまで
お側に居て欲しいのです
たしなんでください
趣味の程度で
飽き飽きだと想うなら
捨てても構わないのです
たゆたう瞬間(とき)の中で
貢体以外に何をお求めになるのでしょうか
わかりませぬ
わかりたくもないのございます
霞峠の先に咲く
美しい花の名をご存知でしょうか
あの花を見ると胸が痛むのです
何故だなどとおっしゃいますな
云いませぬ
云える訳がないのです
まどろんでください
畳の上で
永遠という幻想を
夢見ていたいのです
責めないでください
籠の外で
あの女(ひと)と寄り添うのを
見たくないのです
眩く光る星ゞのもとで
泣くのが惨めだとお笑いになるでしょうか
聞きませぬ
聞きたくないのでございます
慈しんでください
弄んでください
忘れないでください
愛おしいのです
愛おしくて仕方ないのです
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